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【パリ通信】Vo.13

[更新日] 2017年5月16日

パリでブリヂストン美術館展
 世界の美術市場において高値で取引され、21世紀になっても評価が落ちないのが、フランスの印象派の作家たちの作品です。さらに、その印象派の洗礼を受けた画家たちの多くが、日本美術に大きな影響を受けたことは特筆すべきことと言えます。
 パリでは、特にマティスを筆頭にセザンヌ、モネ、ロダンなどフランス人作家の作品展は、毎年どこかの美術館で開催されています。その印象派やポスト印象派の作品はパリのオルセー美術館やモネの「睡蓮の部屋」で有名なオランジュリー美術館に集められています。
 そのオランジュリー美術館で「東京・パリ 石橋財団コレクション・ブリヂストン美術館の名品たち」展(8月21日まで)が開催されています。
同展はブリヂストン美術館の建て替え休館に伴い、創業者、石橋正二郎が収集した作品を中心に同美術館の2600点の所蔵作品の中から厳選された76点の作品が展示されています。
 館内には「TOKYO―PARIS」の大きく書かれた展示質があり、来館者数も多く、美術館によれば4月5日の開始以降、11日間だけで3万7000人の来館者が訪れています。ルーヴルに近く、モネの「睡蓮の部屋」もあるので、外国人観光客も非常に多い美術館ですが、そこでの開催は意義深いものがあります。
 今回の展覧会では、フランスの印象派からアメリカのポロックの作品など近代以降の所蔵作品を展示しており、同時に今回は青木繁など日本人作家の作品も展示され、近代の日仏芸術交流の足跡を辿る意味も込められている。
 思えば、今世紀に入っても衰えを知らない印象派やポスト印象派、さらには抽象絵画に日本の伝統美術が重要な役割を果たしたことは、日本人としては感慨深いものがあります。フランスにいたゴッホやシャガールピカソ、モディリアーニなどフランス人以外の作家たちも同様に日本美術に感化され、過去にない新しい画風の優れた作品を残しました。
 長い西洋美術の歴史は、異文化との接触でさまざまな美術様式を産み出しましたが、日本美術が近代西洋美術に与えた影響は過去に大きなものでした。しかし、開国間もない日本の美術が、どれほどのインパクトをフランスに与えたかなど日本人は知るよしもありませんでした。
 逆に言えば、フランスの美術関係者が日本美術を高く評価したことで、日本そのものの国としての評価を押し上げたとも言えます。以来、フランスと日本は美術において「特別な関係」にあると言えるかもしれません。世界一の目利きと言われるフランスの美術関係者に認められたことは、今日の日本文化の評価に大きく役立っていると言えます。

絵解き
オランジュリー美術館
オランジュリー美術館

「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」 ルノワール 1876年作
「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」 ルノワール

「海の幸」 青木繁 1904年作
「海の幸」 青木繁 1904年作