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【パリ通信】Vo8

[更新日] 2016年10月24日

パリ通信
オルセー美術館開館30周年 10・12・2016
 ルーヴル美術館とセーヌ河を隔てた対面にあるオルセー美術館が今秋、開館30周年を迎えました。もともとは1900年のパリ万国博覧会開催に合わせて建設されたオルセー駅の鉄道駅舎兼ホテルだった建物を大改装したのが今のオルセー美術館。19世紀(1848年から1914年まで)の美術品が中心的です。
 膨大な美術品を所有するフランスには、19世紀中庸以前はルーヴル美術館、それ以降1914年まではオセー美術館、さらにポンピドゥー・センターが20世紀の現代美術を所蔵しています。無論、その他にもモネを中心とした印象派作品を扱うオランジュリー美術館や企画展を行うグラン・パレなどさまざまな美術館もあります。
 中でもオルセー美術館は、印象派作品の展示も多く、日本人にはルーヴルと並ぶ、あるいはそれ以上の人気の美術館と言えるでしょう。それに美術館のユニークな建物が来館者に芸術に対するインスピレーションを与えています。駅舎の建物の構造を巧みに生かして美術館にしたのは、イタリアの女性建築家ガエ・アウレンティ。
 30周年記念に合わせ、現在、同美術館が扱う19世紀、特に1852年から1870年にかけての皇帝ナポレオン3世が統治した「第二帝政」の文化・芸術に光を当てた「第二帝政の華やぎ」展(2017年1月16日まで)が開催されています。
 ナポレオン3世の第二帝政の約20年間の特筆すべき実績の一つは、現代のパリの礎が築かれたパリ大改造計画。この大規模な都市環境の変化は、市民の生活を一変させただけでなく、芸術家に新たな創作環境をもたらしました。
 エコール・ド・パリと呼ばれた20世紀初頭までの時代は、パリの大きな変化によってもたらされたもので、スペインやイタリア、ドイツ、ロシアなどから、国際都市パリを目指す芸術家が急増する時代の基礎が築かれた時代でもありました。
 展覧会では、同時代の絵画や彫刻、写真に加えて、建築素描や工芸品なども多数展示され、第二帝政がもたらした文化的功績を再考しています。
絵画においては、古典主義の集大成とも言える新古典主義を代表するドミニク・アングルが活躍した時代であると同時に、ドラクロワのロマン派、ミレーやクールベの写実主義が台頭する時代でもありました。
 ナポレオン3世のもとで、古い物と新しい物が混在し、同時に産業革命や化学が宗教に取って代わる時代への黎明期であり、さまざまな可能性が追求された時代でもありました。そんな活気に満ちたパリを垣間見る展覧会でもあります。

絵解き
「マダム・モアトゥシエ」 ドミニク・アングル作 1856年
(c) The National Gallery, Londres, Dist.
マダム・トアトぅシェ

「皇帝ナポレオン3世」 フランツ・ヴィンターハルター作 1855年
皇帝ナポレオン三世